ROAを意識して会社の成長を考える
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2020.06.12 │  会計・税務に関する情報

ROAを意識して会社の成長を考える

「財務分析は難しいですか?」というご質問を受けることがあります。財務分析とは貸借対照表や損益計算書の数字を用いて会社の状態を様々な角度から分析することであり、一般的にその目的によって、安全性、収益性、生産性、成長性の4つに分類されます。

財務分析の書籍を購入すれば各指標の計算式や丁寧な解説がありますので、時間をかけて考えれば特に難しいことはありません。しかし、経営者の皆様はお忙しく、そこまで見ている時間がないというのが実情ではないでしょうか。

確かに教科書通りにすべての指標を計算しようとすると、時間もかかりますし、指標が多すぎて記憶に残らないため、あまり意味がありません。そこで会社の成長を考えるにあたり、意識していただきたい指標があります。ROA「総資本経常利益率」です。(ROAはReturn on Assetの略称)

総資本経常利益率とは、会社の資本に対しての利回り(年利)を表します。会社の投下資本をお金として運用した場合、どのくらいの利回りがあるかを見る指標と考えると分かりやすいと思います。計算式は次の通りです。(分母の総資本は、貸借対照表の負債と純資産の合計額)

    ROA(総資本経常利益率) = 経常利益 ÷ 総資本

          
ROAを計算すれば、ご自身の会社の利回りを知ることができます。ROAは高いほうがいいとされ、何%必要なのかは一概には言えませんが、一つの目安として、10年で会社の規模(総資本)を2倍とするためにはROA10%を継続していく必要があるとされています。
(※算定にはいくつかの前提条件を設定しております。)

売上や利益は常に意識されていると思いますが、ROAも一つの指標として目標値を定めていただくことで、会社の成長を長期的に考えることが可能となります。

なお、ROAによく似た指標として、ROE「自己資本当期純利益率」がありますが、ROEは自己資本つまりは株主から預かったお金をどれだけ効率的に運用しているかという指標となり、どちらかといえば株主への還元が大きなテーマである上場企業向けの指標となりますので、まずはROAを使えるようにしましょう。

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